Amore 八木の酒落徒然


2007年 9月の日記 


日本一の清流 あこがれの海部川へ


清らかな流れと清々しい空気、忘れられない‘聖流’海部川

10年以上憧れ続けた聖なる清流・四国の海部川、
ROSOLIOのオープン当時からずっと行きたくて仕方なかった海部川行きがとうとう実現した。

本当は7月の連休に行く予定だったが台風4号の直撃で回避し、
代わりに大阪府野外活動センターへ訪れたが
9月の3連休を利用して、やっと憧れ続けた水の聖地へと向かった。


明石海峡大橋を渡りサービスエリアで期待に胸膨らむ子供たち。

朝ご飯を食べるのも忘れて徳島に向かい、
セリカ コンバーチブルを走らせる。
徳島市内に到着したお昼頃には子供たちの空腹も限界に達し、
私が27歳の頃よく通ったラーメン屋の‘めん八’へ駆け込んだ。


こってり美味しい豚骨醤油味のめん八の‘そば大’&‘八ポーズ’の子供たち。

約18年ぶりの再会と朝からの空腹を満たせた幸せ感も手伝い、
ホッコリ気分で目的の海部川へ向けた道のりを急ぐ。


小松島あたりでトイレ休憩に車を停めると後席でぐっすりの詠人

そしてとうとう来たという想いがジーンと来る美波町の海岸・・・遠かった・・・けど感激!
海がめの産卵で有名な日和佐の少し東側の海だ。
子供たちは堪え切れずに海に向かって走り出すが時間の関係も有りなんとか説得し、
ここは我慢の記念撮影。


ぐっすり眠って目が覚めると、真っ青な海と空が待っていた。

地元の海鮮や珍味を調達しようと下調べしていた‘あぼし鮮魚店’には、
これと言ってめぼしい物はなく、急ぎ今夜のキャンプ地‘まぜの丘’に向かう。

かんかん照りの空の下、芝生の草いきれに咽ながらテントなどを設営し
この旅にも同行したキンチャンズの籠をテントに入れる際、誤ってすまちゃんが外へ飛び出した。
「これは大変」・・・と慌てて捕まえようとする子供たちを制して
オヤジが全身全霊の注意を払いキャンプ場内ギリギリの所で捕獲成功。
あと少しで完全に逃げられキンちゃん独りぼっちになるところだった。


綺麗に整備され施設も充実のキャンプ場‘まぜの丘’&すまちゃん捕獲成功の瞬間。

キャンプの準備を済ませ向かうは当然海部川・・・うずうずワクワク・・・気持ちは高ぶる。
そしてとうとう来ました海部川の中下流域の川原。

全長36キロの海部川の流域には産業が無いため水が汚れない。
最後の清流と歌われた四万十川でさえ検査でアンモニアが検出される昨今、
全ての流域で飲水可能な清らかな流れは、西日本ではもはや海部川しか無いかも知れない。


ほとんど下流域でも、ホントに綺麗な水が流れ・・・しかも飲めるのである。

最初は恐る恐る川を眺める詠人と、入る勇気の無い杜人は石投げ遊び。

・・・でもその5分後、オヤジが入り詠人が入り「気持ちイイ〜」を連発すると杜人も・・・

最後には「もう上がれ」と言っても「まだ、もうちょっと良いやん」と一向に上がろうとしない子供たち。

川遊びは楽しいが、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
もう9月の半ばともなると日が落ちるのも早いので、今日のディナー会場
民宿リバーランズへと向かう。

7月に訪問予定だった際、宿泊予約と同時にシャンパンなどを送り
預かっていただいていたので、今夜はここのお庭で海部川のせせらぎを聞きながらのBBQだ。


持ち込み食材と海部川の天然鮎&フリュート アンシャンテ(ムスー)で乾杯。

ここ数日前の雨で川藻が流れてしまい、鮎の漁がさっぱりで
ここリバーランズの鮎釣り名人のご主人をしてもGETならず
生の天然鮎が食べられないのは残念だが、この夏1番の良形を冷凍した‘お宝’は
鮮烈なスイカ香を放ち‘海部の天然鮎’のエネルギーを感じた。

すっかり闇に包まれた夜8時過ぎ、綺麗な山と爽やかな川の空気を切り裂きながら走る
オープンドライブはこの上なく心地良い。
ついつい飛ばしすぎるきらいはあるものの、子供たちもご機嫌の乗りのり。
コンビニでアイスを買って、ニコニコ顔でまぜの丘へ戻る。


まぜの丘のコインシャワーで旅の汗を流し、さっぱりと。

明日はさらにタップリ外遊び・・・今夜は数多の星が眩しい海部の夜に惹かれはするが、
そう 早く寝よう!

9月23日(日) 日和佐の露天風呂・由岐町伊勢えびまつり・海部川渓流釣り



雄大な太平洋を望む露天風呂は少年達の大志を育む?

この日は朝からスケジュール満載で遊びまくるゼ!


朝のキャンプ場に現れたウサギに感激。

先ず朝6時前に起きて日和佐まで30数キロ走り、ホテル白い灯台自慢の露天風呂に向かった。

6時半から始まる露天風呂に男なら一番乗りを目指したが生憎3番手・・・
それでも遥か水平線を望む太平洋の迫力ある景色が温泉に入りながら拝める・・・
これは中々の体験で、値打ちあります・・・ほんと。


海がめ親子ポーズの子供たち&幸せ感全開の温中親子。

大好きな露天洗い場も有って爽快極まりない&雄々しい日和佐の景観。

ゆっくりと海を臨む露天風呂を堪能したら次なる目的地の由岐町に向かう途中
コンビニに寄って朝ごはん。

腹ごしらえが出来たら伊勢海老の市が開催される由岐町駅前の広場を目指す。
この日の午前中は、この町でタップリと伊勢海老を堪能する予定だ。

伊勢海老長者汁の振る舞いがあるので長々と整理券の配布を待つ間、
朝から開かれる魚市を散策し、この日のディナーの食材を格安にてGETする。


さすがに400円では可愛すぎる伊勢海老、綺麗に並んだうるめちゃん&安くて新鮮な地魚。

やっとの事で伊勢海老長者汁の整理券を手にしたら、
今度は伊勢海老つかみ取りの整理券GETに向けてまたもや並ぶ。

そして待望の伊勢海老長者汁の振る舞いが始まった・・・
・・・が、しかし・・・田舎ムードの希薄な発泡スチロールカップに注がれた長者汁は、
想像を絶するショボさで、申し訳程度の具(伊勢海老)と味いまいちな味噌汁、
そして漁港らしからぬ鮮度の落ちた伊勢海老の風味・・・参った!


あぁ〜哀愁の長者汁

目の前のグランドでディスクゴルフを少々遊びながら時間をつぶし、
気を取り直してオヤジは伊勢海老の料理教室(予約制)へ、
子供達は伊勢海老つかみ取りへ。


野趣あふれる?ブルーシート仕立てのプールにしょんぼり放された伊勢海老をGET.

料理教室で用意されていた伊勢海老はこれまた小さく弱り加減・・・
まぁ仕方ない、この際楽しく腕を振るうか!?

・・・と料理教室なのだが自分で仕切ってチャッチャと料理、
すると先生や参加者は「すごい・・・プロみたい」・・・悪いけどプロなのよん。

2グループに分かれて料理教室が進むが、もう1グループはとにかく静か。
つかみ取りを終えた子供たちも合流した私の居るほうは和やかに賑やかに・・・。
四国版ASAの取材スタッフ‘エビーズ’も一緒に盛り上がる。


料理をするのが楽しい親父の血を引く子供たち&自分たちで作った味噌汁はやっぱり美味い。

そして出来上がった料理を隣の部屋に運びプチパーティー、
オヤジは車に戻りクーラーボックスからビールを持参。
子供達は自分たちも作った伊勢海老料理を美味しそうに頬張り、
取材のエビーズたちとも盛り上がり賑やかだが、隣のグループはとにかく静かだ。


撮るのと食べるのが忙しいエビーズ、本日のメインデッシュは刺身・炊き込みご飯・サラダの何故か1プレート盛り。

楽しく伊勢海老料理を食べていると突然携帯にファンタスティックな知らせが届く。
海部川をこよなく愛したが故に、
海部に住み付いてしまった元大阪人の長谷川さんから電話が入ったのだ。

「今 仕事が片付きましたが、お昼から海部川で釣りませんか?」・・・
ヤッホー!釣りや!釣りや!憬れの海部川で渓流釣りや〜!
「はい、もちろん喜んで〜宜しくお願い致します。」

伊勢海老の宴はたけなわだが(今だにもう片方はとても静か)、
頭の中は海部川で渦巻いている。
早々に失礼して、長谷川さんの待つ海陽町役場へと急ぎ車を走らせた。

40キロの道のりも海部川の渓流魚たちが待っていると思うだけで、
アクセルも軽い・・・ウキウキドライブで待ち合わせた海陽町役場前へ。

そして笑顔で私たちを迎えてくれた長谷川さんは、
大阪で病院経営をされていたが、海部川の魅力に執り付かれ何と移住し
タクシーの運転手をされている。

「ここから3〜40分上流に走ります」とおっしゃり餌のイクラを仕入れていざ川又方面へ。
本来禁猟の時期に入ってしまった(現地で初めて知った)が、
そこはそれ・・・せっかく来たのに、まぁよしとしよう。


なんとも優しいジェントルマン長谷川さんにすっかりなついた子供たち。

清らかな流れと澄み渡った空気、
どこまでも美しいこの空間に居ることだけでとめど無く湧き上がる幸せ感。
さぁ 水中で私たちを待つアマゴ(現地ではアメゴ)ちゃん達よ、
惜しげもなくその美しい姿を見せてくれ!

・・・との思いと裏腹に針に掛かるのはウグイ(現地ではイダ)ばかり。
一体アマゴちゃんはどうしたんだ?

天下の清流海部川と言えども変り行く地球の姿の類に漏れないのか。

まぁいいか、ここに居るだけで幸せなんだから。
子供達は大喜びで一心不乱に竿を繰り出す・・・すみません長谷川さん、
完全に子供たちの世話役を任せ切って・・・だって僕ちゃんも釣りたいんだもん。

でも余りにウグイばかりなので場所を変えることに。

だが・・・長谷川さんの軽バンがバッテリーあがり、
ブースターケーブルを積んでいないので少し下流の民家へ借りに行きエンジンスタート。
でも何せ田舎の田舎・・・結構苦労しました。

秋の陽は何とやら・・・遊びに夢中だと時間の過ぎるのも忘れ、
夕暮れが近づいて来た。

でもせっかくなので最後のチャレンジで、もうひと釣り。
杉宇エリアの沢で竿納めだ。


いつまでもいちまでも、この幸せに浸りたい・・・。

名残惜しさタップリだが、この素晴らしき海部川での渓流釣りは本日これまで、
まぜの丘で一献酌み交わす約束をして長谷川さんと一旦別れる。

そして今夜のメニューは由岐町で仕入れた新鮮なお魚と伊勢海老で作るブイヤベース、
ワクワクしながら夕餉の支度に子供たちも励んだ。


杜人は伊勢海老を割り、詠人はヒイカの墨抜きにいそしむ。

伊勢海老・フグ・糸より・ワタリガニ・ヒイカ・あさり・・・今夜のご馳走の下ごしらえ完了。

お腹はもう完全にぺしゃんこだが、自分たちで作り上げないと食べられない
頑張ったぶん食べたときの喜びもひとしおだ。


太刀魚のカルパッチョ・ブイヤベース・フランスパン・・・ディナーコースの完成だ。

長谷川さんが合流するのは待てないのでお先にいただきます!

・・・ん〜ん・・・美味い!
自然とはじける子供たちの笑顔・・・これが一番嬉しい瞬間だ。


満面の笑顔の子供たち&タバコの火で詠人がいたずら作品を・・・こちらも笑顔?

そして長谷川さんも合流し大阪や海部川の話しに花が咲き酒も進む。

夕立に一時避難もきっちりワイン〜酒〜焼酎と飲みきって再開を約束、
ほんとうにお世話になりました長谷川さん・感謝合掌です!

9月24日(月) 名残の海部川の清流そうめん〜日和佐大浜海岸〜大阪へ

楽しい日々はあっという間に最終日へ、この日も朝から海部川河口で川あそび。

日本有数のサーフスポットとしても有名な海部川河口だが、
実際にこの目で見てビックリするほどの綺麗なパイプラインに感動だ。

雄々しい姿を繰り返し見せる海辺には、ちゃらちゃらしたなんちゃってサーファーの姿は皆無、
気合の入ったベテランサーファーのオーラがストイックな美しさを醸していた。


生憎の曇り空で残念&パイプラインの写真を撮り忘れたが墨絵のように美しい海部の海岸。

いたってそっちの方はなんちゃってな親子、
雄々しい波間にその身を向ける事無くゆるりと流れる河口でちゃぷちゃぷ水遊び。
別に朝1番から水遊びせんでも・・・それだけ惚れ込んだ証拠か?

冷えた体は温泉でぬくもりチャージせねばならない、
ひとっ走りして道の駅宍喰の朝風呂へ向かった。

このエリアもサーファーでにぎわうスポットだが、
パイプラインの荘厳さでは海部河口にはかなわず、明るいサーファーが多いか。

問題の温泉は、かなり駄目。
加水循環で本来の姿は完全に影も無い温泉は、物悲しささえ感じる汚さ。
ぶくぶく泡立ってるだけに、余計レジオネラ恐怖を覚え早々に退散・・・タダ湯して大正解だ?

そしてこの日のメイン「海部川清流そうめん」を楽しむため、
三度海部川の上流を目指す。

「かもしか淵」と小さな木の立て看板がある場所に車を停め、
ちょっとした崖を降りて美しき海部川の淵へ。
海部川で食べるアウトドアクッキングのメニューを考えた時「これしか無い」と閃いたメニュー、
美味しい水の力を最大限に味わうには冷や素麺がベストだ。


海部川の流れに浸かりながらの素麺・・・最高でっせ!

素麺はもちろん徳島名産「半田手延べそうめん」だ。

お腹が満たされると遊び心も満たさねば・・・早速昨日覚えた渓流釣りを。

杜人に「ここから、この辺に仕掛けを入れて見ぃ」とアドバイスし一投目で、
小さいが今回はじめてのアマゴちゃんとご対面!


すっかり太公望?な杜人

でも結局後はウグイばかり、ほんとにどうなってるんやろ?

そして くーらんまん人力旅行社 でレンタルしてもらったライフジャケットの威力を
遺憾なく発揮する時が来た!そう・・・飛び込め〜!


かもしか淵の深瀬はブルーグリーンに煌き、水中の美しさは地上から見る以上だ!

ざぶんと飛び込み流れに任せてぷかぷか漂い流される・・・
ほんまに気持ち宜しおまっせ。

そして いつの間にやらシュノーケルを使って水鉄砲合戦が始まる、
まぁ 子供って何だかんだと遊びを考えますなぁ・・・。


綺麗な水ならいくら掛けられても大歓迎?果てしなく続く水鉄砲合戦。

あぁ・・・・・やっぱり海部川最高!

自分の感動を母親にも・・・と、詠人がミネラルのペットボトルに海部川の水を詰め込む。
でもそのペットボトル・・・さっきまで杜人が釣ったアマゴが泳いでたんやけど
・・・まぁええか、これもまた一興!

思いっきり海部川を楽しんだ3日間だったが、
帰る時間がやって来てしまった・・・ほんとに名残惜しいが再開を誓いお別れだ。

ほんとは7月に来て、海がめの産卵も見る予定だったが台風で9月になってしまった。
でもせっかくだから日和佐の大浜海岸でも少しだけ遊んで帰ろう。


ぐっすり眠って目覚めると・・・海がめのメッカ大浜海岸。

帰りの時間が気になるのに子供達はどうしても海がめ博物館カレッタに入りたいと言う。
「家に帰る時間、遅くなるけど良いのか」・・・勿論 首を横に振るわけも無く、カレッタに入場。


海がめの進化を勉強し、ティラノサウルスにも海がめにもなる子供たち。

生まれたばかりの赤ちゃん〜水槽の海がめ〜親子?海がめ〜外で生海がめと。

海がめクイズで認定書をもらえる点数に行かず、
再チャレンジを懇願する子供たちに「来年また勉強して、また来よう」と諭し海岸へ。
南徳島の美しい海ともこれでお別れだ、さぁ 波と戯れようではないか。


勇壮な日和佐の波と戯れる子供たち〜楽しいことに言葉は要らない。

子供達は底なしの遊びエネルギーで弾けているが、
オヤジは帰り道と帰宅時間が心配で仕方ない。

最後は道の駅日和佐で、おみやげ買い物&足湯の癒し。
後はただ、無事に4時間半の道のりを願い走るのみだ。


ささやかだが、道の駅に足湯・・・いい癒しです。

アホナビにイライラさせられながら渋滞もありの道のりで徳島市内に入った頃には、
どっぷりと日も暮れお腹もぺこぺこ。
もう一度「めん八」で徳島ラーメンを食し、
あこがれの海部川と共に楽しみまくった徳島とお別れだ。

鳴門で高速に乗る前にガスチャージし(リッター9,5キロ・・嬉しい)、
後はひたすら大阪を目指す。


夜の明石海峡大橋がラストショット(杜人撮影)

ずっと憬れていた海部川、そして母なる海岸日和佐・・・。

目一杯 プランニングし、存分に遊びまくった3日間。

優しく迎えていただき、子供たちに渓流釣りの楽しさを教えていただいた長谷川さん。

すべてに感謝して、この旅を終えた初秋の夜だった。