Amore 八木の酒落徒然


2010年 7月の日記

 

串本・古座川カヌー遊び


青い空 エメラルドグリーンの川面に映えるカヌーの赤

去年は大怪我をしたので、夏の一大イベント川遊びが出来なかった。

歳を重ねると海がだんだんしんどくなるので、
同じ水遊びなら爽やかな川遊びが益々好きになっていく。

今年はお客さんの蔭さんがよく訪れるという南紀串本の、
古座川とその支流小川(こかわ)へカヌーをしようと出かけた。

店が忙しくなってきたのと、菊正宗の日本酒カクテル教室の
準備にも時間を割いたためアウトドアクッキングの仕込みは不完全。
今回は2泊目の夜にBBQを古座川畔で行うのみの用意で、
7月17日(土)の早朝に大阪を出発した。

昨日飲めなかった感染症用の抗生剤
(水に溶かして飲む、1週間効き目タイプ)を空きっ腹で飲んで出かけたため
阪神高速を走行中は胃の痛みと戦い、
阪和道走行中は下痢の苦しみと戦いながらのドライブに苦戦。

白浜を過ぎる頃までは、爽快なオープンドライブとはならなかった。


紀ノ川サービスエリア・・・オヤジはトイレへ、子供達は爆睡

しかしさすがに夏の南紀、空の色も海の色も・・・
昨日までの梅雨空は遠い記憶の彼方へ消し去るような鮮やかさ。
腹の具合も出発から2時間半を過ぎようとした頃から、
回復へと向かいテンションはどんどん上がって行く。


最後のトイレストップをした釣りエサ屋で、子供たちのアイスを期待する犬と

そして大阪出発から4時間チョイ、とうとう来ました
本州最南端・串本の町へ。

念のため下痢止めの薬を購入し、
車も洗車してすっきり夏の楽しいイベントに備える。


マグロや飛び魚の水揚げで有名なサザンエンド串本港、洗車も済ませさぁ楽しむぞ〜!

古座川の駅前で前日から現地入りしていた蔭さんと合流、
地元では有名な天然うなぎの店古座川で待望のご飯にありつこう。
特に杜人は大のうなぎ好き・・・よだれがこぼれて来そうな勢いだ。


天然記念物「橋杭岩」の前で

「ほんまはもう一軒の天然じゃ無いほうが味は良いと思うんやけど・・・」と、
つぶやく蔭さんだったが折角なので天然をいただこうと古座川へ。
しかしこれが大きな間違い・・・悲劇の始まりだった。


入るまでは期待で胸膨らむ子供たち・・・

ポンとテーブルの端に放り置かれたうな重、あまりのショボさに絶句の肝吸い、でも食べ盛りは・・・

奥の座敷に案内されたが、我々が座ってからテーブルを拭き始めるおばはん。

でも先ずは乾杯と生ビールを注文したが、劣化がはじまり濁って飲めないのが到着。
言ってもラチがあかないだろうて、車のクーラーから自前を持ち込み乾杯。

そしてアテの肝焼きを注文したら、「今はやってません」・・・て。
メニューから消しとけよ!

焼き置きの炙りなおしで出されたうな重、
心のこもらないサービスは・・・テーブルの端にぽんぽん放り置く始末。

山椒が入っていなかったので告げると、そこから補充が始まる有様。

そして別料金の肝吸いは目を覆うようなショボイ内容、
杜人が「お父さん・・・肝吸い、こんなん・・・」と悲しい顔で見せる。

そして肝心の鰻は焼き置きしたものの温めなおしで、
しかも脂はほとんど落ちない程度の焼き加減なのでもちろん繊維も開いたおらず
ぼってりと思い口当たりでべたつく脂・・・。

朝からこの鰻のために我慢してきたので、何とか半分は食べたが そこが限界だ。
残りは食べ盛りの杜人に託したが、あまり嬉しそうに無い様子。

「よっしゃ もう一軒の方へ行こう」と、鰻屋のはしごを敢行!
これもまた傷を広げる結果になる。


さすがに2軒目・・・うな重を注文したのはオヤジと杜人だけ

味のほうは古座川より幾分ましだが、あくまでそれは味付けの話で
肝心の鰻の焼きはまるで同じレベル・・・
これはもう串本の鰻文化がこういうものだと諦めるしかない。

どっしりベットリの鰻の脂で、ようやく復調したお腹の具合も怪しくなり始める。

ここは一番 気持ちを切り替え、カヌー遊びに専念しよう!

古座川の駅には観光協会が隣接され、
1日2100円で遊び放題のレンタルカヌー(ライフジャケット・ヘルメットなどの装備付)が借りられる。

さらにカヌー用のキャリアを搭載したタクシーが、
4台までのカヌーを積んで目的地まで送ってくれるので便利だ。

観光協会のお姉さんも親切な上、なかなかのベッピンさんでGOOD!


今年初の清流にウキウキは抑えられない子供たち

古座川の支流である小川(こかわと読む)は、
海部川には届かないまでも中々の美しさで水の冷たさも心地よい。
上流にはきっと美味しそうなアマゴちゃん達が、
気持ち良さそうに泳いでいる事だろう。

昨日までの雨続きで水量はいたって豊富、
いつもながら夏遊びのイベントはバッチリ天にも味方してもらい最高のコンディション。
いきなりカンカン照りで、暑いのだけは厳しいが・・・


どうですか、この青と緑と赤いカヌー・・・気持ちよくないはずが無いでしょ

明神橋のたもとから小川を下ると、すぐに本流の古座川に合流する。
合流地点には大きな渦が出来、ここを攻めるのが中々楽しい。

さらに一気にエメラルドグリーンへ色を変える川面に、
カヌーやライフジャケットの赤がよく映えてカメラ片手のオヤジも忙しい。

杜人は詠人からバトンタッチされたカヌーを、
いとも簡単にスイスイ習得し楽しそうに操っている。

ついこの前までドン臭い子供だったのだが、
さすがに最大の成長期にクラブ活動をしているだけの成果が現れ嬉しいオヤジ。


カヌーを操る楽しさが、杜人の身体を突き抜ける!?



合流地点で一服中 おやつに用意したアメリカンチェリーは、全て悪童たちに食い尽くされる

不覚にも携帯を持ってきてしまったオヤジは、
カヌー初心者なのでいつ転覆して水没させてしまうかも知れないので
ベテランの陰さんに預けることにしたが・・・

これがまた悲劇を生む事になる。

冷たく早い小川の流れから一転、ゆったり流れる古川を下る。

空からは容赦なくギンギンに照りつける太陽、
夏大好きのオヤジも昨日までの気候から余りに激しい変化に戸惑うが
時々川の水を肩や腕にかけて涼を採りながらの川下り。

途中何度か杜人と競争するが、さすがに体力向上中の高校生と
完全下降中の中年オヤジ・・・
勝てると思っていたのは去年まで、今年はもう完敗だ。

そして難所にさしかかった!

川幅が急に狭くなり、右側の瀬に吸い寄せられる。
そしてガクン!ドバッっと水をかぶる。

さすがにカヌーはよく出来たものだと、感心しながら
難所を凌いだ安堵感と共に下流を目指す。

そして ふと脳裏をよぎる不安感・・・

陰さんに携帯を預けた際、ボンネット部のメッシュポケットにしまわれたので
「ここは拙いでしょ」・・・と言ったのだが、
「大丈夫 大丈夫・・・濡れへんから」・・・と言われるので仕方なく・・・

後ろから来る詠人と陰さんのカヌーに近寄り、我が携帯を見ると・・・

時既に遅し・・・完全水没・・・

急いでバッテリーを外し、水気を吹きまくって
真夏の太陽のエネルギーにすがりながら河口を目指す悲しきオヤジ。

さすがに最後は流れは遅くなる上、河口から逆流してくる風や流れ
そしてギンギラの日照り・・・
ゴール地点にたどり着いた時にはもうバテバテだ。

カヌーを返却し今夜と明日の宿「神保館」へ。


神保館からの古座川河口域、携帯アウトで放心状態のオヤジ

扇風機で追乾かしをしようとしたが、そこは既に悪童たちに占拠されている。
喧嘩ばかりするくせに、なぜか時々変に仲良しになる兄弟だ。


お前ら・・・ええ加減にせぇよ!

まぁ 出来る限りの手を尽くして、携帯電源ON!

おおっ! 電源入った!!

そして電話をかけてみる・・・掛かった!!  感動!!!

しかし

次の瞬間・・・

電源落ちて・・・お陀仏↓  THE END !

明日 合流する岡さん夫妻との連絡もとらねばならないので、
急ぎ串本のau ショップへ走り機種変更。
幸い電話帳などのデータは、サーバー上に保存していたので生きていたが
写真などのほとんどはアウト・・・まぁ、仕方ない。

そして晩ご飯は、串本を散策して良さげな店を探したが中々・・・

子供たちも空腹と疲れで、やばくなって来たので
「名物 飛魚料理」と看板にどかどか書いてる居酒屋へ・・・ヤバイと思ったが。

「飛び魚 食べられますか?」と尋ねると・・・「無いんです」。

メニューはホワイトボードに書かれた、
刺身・焼き魚・その他の各3〜4種類ほど・・・以上。

先ずは探りに「流れ子の煮付け」を注文、これは美味かったので追加注文。

そして刺身は上マグロ2人前を注文、焼き魚はカマスを注文。

すると「カマスは時間かかるんですけど」・・・「良いですよ」。

陰さんがビンチョウのタタキを注文・・・「タタキは無くなって、焼きならすぐ出来ます」。
そう・・・全てを魚焼き器にて焼いてしまっていたからだ。

そしてカウンター上部に何やら目刺しの様な冷えた焼き物登場、
こんなもの頼んだ覚えはないのでそのまま置いておく。

そして待てど暮らせど上マグロは出てこない。
後から来た家族連れにはどんどん料理が運ばれるが、
こちらには一向に出てくる気配が無い。

さすがにこれはアカンと「上マグロ2人前は、いつになったら出てくるん?」と尋ねると、
「???」 何言ってるの?な反応。

忘れたことを謝ることも、反省することも・・・気配すらない。

ついでに「もしかして、これってカマス?」・・・「そうですよ」。

時間掛かるって言ってたのに・・・、しかもカマスというより目刺しやし・・・。

そしてようやく出てきたマグロを平らげると子供達は、
「お父さん、向かいのお菓子やさん入ってきて良い?」と尋ねてくる。
普段ならそんな行儀の悪いことは許すはずも無いが、
この店には何も期待できないので「ええよ、行っといで」。

しかしまぁ・・・あまりのひどさにあきれ果てて言葉にならない。

唯一つの収穫は、マグロが活かってる状態というのを初めて経験した事くらいか。

そう ここは串本。

どんなに若輩の者にも、思いっきりタメ口きかれる何紀の町。

クオリティーを求めてはいけないのである、豊かな自然に感謝さえしていれば・・・。

結局スーパーでシャンパンのアテなどを買い込み、
部屋食する事でようやく落ち着いた串本の夜。

最後はポーカーや株で盛り上がり、おやすみなさい。


ほんまにもう・・・今日はこの辺に・・・しといて下さい、串本さん。

7月18日(日) 勝浦のホテル浦島・橋杭岩磯遊び・小川流れ・古座川BBQ


二日目の朝は旅館で朝食をいただき、急ぎ勝浦方面へ向け走り出す。

長年のあこがれホテル浦島の温泉を堪能し、
昼には串本に戻らねばならないからだ。

この日も快晴・・・というよりカンカン照りの南紀、
朝から容赦なく陽射しが突き刺さる。

途中魅惑の温泉へと誘う看板を、ことごとく振り切り
勝浦に到着〜さっそくホテル浦島へ。

しかし車の乗り入れは宿泊客のみで、
日帰り客は舟でホテル浦島へ向かわなくてはならないので港へ戻る。


イルカや亀を模した客船が無料出向かえ&絶えずピストン運行

そして念願の(オヤジだけ)ホテル浦島に到着。

6箇所ある温泉の入浴案内をしてもらい、先ずは大本命の忘帰洞へ向かう。

磯に面した大迫力の洞窟風呂には、香ばしい硫黄の香りと
潮風が交じり合い親父の顔は緩みまくる。


望は遥か太平洋、自然の洞窟に沸く愛しの濁り湯

気持ちいい〜〜〜〜!!!



他のお客さんがいない事を確認するやいなや泳ぎだす悪童二人

そして次なるターゲット遥峰の湯は閉まっていたので、
1F下の天海の湯へ。

大はしゃぎで温泉巡りをするオヤジに杜人は、
「お風呂付き合うの、ここで終わりやで」といきなり釘を刺され寂しい〜

でも この天海の湯が実に気持ちイイ!
32階から見渡す太平洋の絶景や、デザイン良く配された露天のつぼ湯など
温泉好きにはたまらない天国だ。


真っ青に晴れ渡った太平洋

程よい日よけが効果的で、優しい心地になれる露天のつぼ湯、そして寝転びも気持ちいいタイル張りの露天

そのすぐ横の茂みには美しいアゲハチョウが悠然と蜜を愉しむ

内湯ですっきり身体を洗い、子供達はこれでお風呂アップ。
オヤジは最後にもう一丁〜滝の湯で仕上げといこう。


空の色が移しこまれた晴れの濁り湯、水洗タンクのストッパーと一緒に入る極小水風呂

良く晴れた空のブルーが溶け込み、ほのかに青い温泉と
大規模なホテルの割には無理やり作った小さな水風呂を交互に入り浦島温泉巡り終了。


舟から見たホテル浦島

一人旅なら温泉だらけの勝浦一帯・・・ゆっくり時間をかけて攻めるのだが、
子供達は徐々にお風呂離れし始めるし
色々 この後の予定も有るので、泣く泣く勝浦を後にする事に。

泣く泣くといえばこの陽射しで、オヤジの肌が悲鳴を上げ始めたので
薬局でローションを買って一塗り。
そしてクーラーに入れ、次回からのひんやりローションが楽しみになる。

何とか昼前に串本に戻り、auショップに急行・・・

今時の携帯は充電用の台座が付いていないため、
機種変更したのは良いもののすでに電気が底をついていたのだ。

充電中に昼ごはんにしようと、auショップのお姉ちゃんに
回転すしの美味しい店情報を仕入れGO.


何紀らしくマグロ盛り合わせやら、クエやら・・・ついつい食べすぎ高くつく

回転すしながら南紀らしいネタが豊富で楽しいから、
ついつい食べ過ぎてしまいお会計8千円オーバー!

そろそろ合流するはずの岡さん夫妻は渋滞につかまり、
あと1時間ほど掛かりそうなので橋杭岩の磯場へ遊びに行くことに。
ちょうど潮が引き岩のところまで歩いていけるからだ。




太平洋の強い波が橋杭岩で適度にマイルド化され、ちょうど良い遊び場で気持ちイイ!

ようやく岡さん夫妻が合流し、古座川支流の小川へ
ライフジャケットを着用し流され遊びをしに上流へ向かう。

途中 ええ感じの流されポイントを確認しながら、
陰さんの案内でどんどん上流へ・・・おぉ〜 ええ感じやん!!


奇岩が並ぶ狭窄部は絶好の飛び込みポイントと思いきや・・・

早速飛び込もうと足早に岩場を行くが、結構そこらかしこに岩が散らばり
中々安全な飛び込みポイントが見つからない。

ようやくここならというポイントを見つけ、先ずはオヤジからドボン!
続いて詠人がドボン!〜「お兄ちゃんもおいで〜や!」と言うも、
「俺 ええわ」・・・と消極的な杜人。

岡さん夫妻も旦那はびびり、結局奥さんだけダイブ!


ワクワクで早く飛び込みに行きたい詠人と、岩の上で座ってるだけの杜人

思ったより水の透明度は低いが、やはり飛び込んで流される・・・楽しい!

まぁ ここは見えてない部分も有ったりするので、
恐がる気持ちも解るし、一度飛び込んでから元のところに戻るのも一苦労なので
みんな安心して流されることの出来るポイントへ移動することに。


小川中流域の流されポイント〜ここなら安全・・・のはずだった

こちらのポイントでは皆さん楽しく安全に流され、
夏の川遊びの醍醐味を楽しんだがオヤジと詠人は1ランク上を目指し
白波が立っている荒瀬でスピードを楽しむことに・・・

それがやはり大きな間違いで、
白波が立っているということは底の岩がせり上がってるという事。
そう それは、左膝や腰を痛打して言葉も出ないほど悶絶してから解ったことだ。

詠人はまだ小さいからか、無事に通過したが・・・

そうこうするうちに時間は5時をまわり、夕食のBBQの買出しや仕込みに追われるので
今年の川遊びはこれでお開き。

古座川のほとりでのBBQパーティーには、
地元食材「流れ子・・・とこぶし」などもふんだんに盛り込み
泡物たっぷりで旨いやら心地よいやら・・・!

神保館のご主人にもいろいろ協力いただいて、楽しいひと時となった。

すっかり暗くなってから、鵜がエサを捕食しに
すぐ脇に飛び込んできたのは大迫力でビックリ!
鵜って鳥眼じゃないんや!?

8月19日(月・祝) 大阪へ

夏の和歌山は素晴らしいのだが、帰りの高速渋滞もハンパじゃないので
朝食は7時に出してもらい8時には出発。


ケンケン漁で有名なすさみ漁港の看板前で

10時には高速に乗れたが、既に広川から渋滞が始まり動かない。

真夏の陽射しでオープンには厳しすぎるので、
対面通行エリアを強引にUターンし一般道へエスケープ。

1時間半かけて有田川をまわって迂回し、
再び高速に戻ったときには車の姿は一切無し・・・きっと渋滞内で事故〜ストップしてるのだろう。

大阪には12時過ぎに到着し、阪急百貨店で子供たちの買い物をし
最後は地元のプールで汗を流す。

今年の夏のメインイベントは、3日間たっぷりの濃密スケジュールで終了した。