Amore 八木の酒落徒然


2010年 8月の日記

 

清らかな水あふれる夏の大山


爽やかな風が吹く夏の大山から

今年の正月に雪の大山を満喫させようとプランを練り、
準備万端いざ出発・・・の朝、電話が鳴った。

「詠人が熱出して・・・」

がっくり・・・。

予約していたペンションも、スノーボートもブーツも・・・全てパァ。
淋しい寂しい正月を一人で過ごした中年オヤジ、
最後は極めつけ?一人てっちりでお腹一杯孤独を堪能したものだった。

お盆休みにリベンジを期し夏の大山をプランニング、
くわがた採り・泉あそび・ペンションでのフランス料理?を用意し詠人を誘った。

本当は1泊の予定だったが、家で泊まるはずの14日
急に詠人が「ボク今から行きたい」と言い出す。
居ても立ってもいられなくなるのは解るが、
「今から行っても宿泊まられへんで、車で寝るしかないぞ」と言ったが、
「いいよ」・・・。

いいよは良いけど、セリカ コンバーチブルで寝るの?キツイで〜。

という訳で14日の夜7時過ぎに出発、
米子道のサービスエリアで夜を明かすことにしたので
近くのスーパーで夜食などを買い込み夕食を済ませてから高速に乗り込む。

猛暑続きのこの夏だが、夜の高速をオープンで走るのは気持ちイイ。
しかし中国道を落合JCから北上し米子道を走るうちに、
なんかゾクゾクしはじめる・・・寒いかも?

毎夜クーラーをかけないと寝られない日々が続く中、
まさかエアコンレスで風邪をひくのも情けないが高速走行中に
長袖には着替えられないので辛抱。

宿泊地?の大山PAに着くや否やサマーセーターを着て
ホッコリするオヤジと、まるでへっちゃらな詠人。
体内で燃えているエンジンの力が、オヤジと子供では全然違うようだ。

静かな夜のパーキングで乾杯〜夜食をたいらげ、
明日はたっぷり遊ぶので11時前に寝ることにした。
・・・ちなみに運転席は狭いので詠人とチェンジ&夜露や通り雨を避けるため
幌を軽く閉めておやすみ〜。

8月15日(日) 夏の大山満喫の1日

あまり寝付けなかった様子の詠人は、4時半にはすっかりお目目パッチリ。

PAのライトに吸い寄せられたクワガタなどがいる可能性があるので、
探しておいでと言うとすぐにGO!

「お父さん メス一匹見つけた!」と嬉しそうに帰ってきた。
「ミヤマかなぁ〜」と鑑定したが後でノコギリの♀と判明。

子供は元気だが狭い車内&涼しさでオヤジの身体はガチガチ・・・
なんで、朝1番 皆生温泉で温まろうと出発。


皆生温泉のビーチで日本海の夜明け

しかしながらまことに残念な皆生温泉、
24時間の外湯も足湯も全く無いし一番早い入浴施設も10時半から。

旅館に行っても入れてくれないし、皆生温泉や無いで「皆無温泉」や!
・・・と、寂しく呟く。

ビーチを前でプチ朝めしして皆無温泉とはおさらば、
もう来ることはナイだろう。

すっかり明るくなった鳥取の町から、本命の大山へと車を走らせる。
山頂には雲がかかり、その全容は見えないが何度見ても美しい山である。


さっき昇り始めたお日様も大山を越えるまでには至らず

牧場にはひまわりが気持ち良さそうに揺れている

表大山を気持ちよくドライブするが時刻はまだ6時前、
トムソーヤ牧場のくわがた採りツアーに参加する時間まではまだ4時間ある。
ドライブばかりしていても、時間を持て余してしまう。


赤松池のほとりで・・・完全爆酔中

どうしようかと考えていたところ「地蔵滝の泉」の看板発見、
実は一番楽しみにしていたポイントでもあったので嬉しい!!


豊かな山には豊かな泉・・・これ美しき日本の大好きなシンボルである

「お父さん、ここの水飲めるん?」・・・当たり前やん、美味しいで〜

朝からギンギンに暑い夏の大山でもここは別世界、
冷たく豊かな泉と青々したセリやクレソン
そして適度な木漏れ日の静かで涼しく爽やかな空間がひろがる。

これは寝るべきやろう!・・・と、オープン酔ミング!

ゆっくり2時間ほど朝寝を満喫し、
お地蔵さんにお参りしてからフィールドアスレチック森の国に向かう。

時間はくわがた採りの集合1時間前、その旨告げると
「あぁ どうぞ どうぞ、遊んで行って下さい」と笑顔でフィールド内へ案にされる。

そして驚愕の料金徴収!

えっ?マジで? 有料のくわがた採りのお客さんからも取るの!?

仕方なく不本意ながらフィールドアスレチックの会場に向かうが暑い!
その上 目ぼしい遊具の脇にはバイト君たちが張り付き、
そこでもさらに1回300円とか別料金を回収している。
恐るべきガメツさの森の国・・・に、ガッカリしながら無料遊具で遊び時間をつぶす。


数少ない無料で楽しい遊具

ようやく10時になりくわがた採りツアー出発、
一人2,500円を払い近くのミヤコヤナギ林へ出向きお宝探しをするわけだ。


ガイドの案内を聞くときも日陰に・・・とにかく暑い!

以外や意外にくわがたは柳も好物らしく、そのうえ若い木の樹液が好きという事で
道路わきのそっけない現場に到着。
約2時間弱のお宝探しは3箇所のポイントを移動して行われたが、
オヤジは残念ながらゼロ、詠人は大き目のノコギリ♀を一匹。

そして参加者全員のお宝を一箇所に強制集合させ、
みんなで狙いのお宝をじゃんけんで獲得合戦するわけだ。

もちろん詠人はノコギリのメスを最初から持っているので、
狙いは当然ながらノコギリのオス。
自分よりだいぶ小さなちびっ子たちとじゃんけん勝負で
5連勝し、ついに念願のノコギリ♂をゲットした・・・完全に気迫勝ちだ。


最初は7〜8人からはじまり、一人減り、二人減り・・・最後は気合のグーで粉砕じゃ〜

大人も子供も20人チョイ、全員でこれだけヨ・・・ノコギリ♂ゲットでご満悦の詠人

汗と泥まみれになった体は地蔵滝の泉へ行って清めることに・・・
しかし昼ともなれば心無いBBQ観光客で悲惨な状況。


ちゃんと看板に書いて在るんやけど・・・

キレイなきれいな泉には水草のグリーンが似合うが・・・

野生のせりには蝶が舞い、白豚も戯れる

キレイサッパリ気持ちよくなったらお腹がすいた、
ジンギスカンでも食べに行こうとふもとのトムソーヤ牧場へと向かったがこちらも入場料を徴収・・・
それは無いやろ〜と引き返し道すがら見つけた「手打ちそば」ののぼりに吸い寄せられ、
入ったところが「大山山岳美術館」???
何なんやろ、ここは一体???

案内されたのは資料室のような応接室のような・・・、
不思議空間でオヤジはざるそば大、詠人はカレーライスを恐れながら注文。


後でサラダが出てくる缶詰めカレー、どう見ても大盛りじゃないざるそば大

カレーにセットになったサラダが登場する頃に、ご主人・・・いわゆる館主登場。

そしてざるそば登場・・・少ないし、ねぎ溶けてるし・・・。
でもつゆは思いっきり本格!かなり美味い。

サラダはカレーのスプーンでは食べずらいが、お年を召したお二人を
動かすのもなんなのでズッキーニよりも太い胡瓜のスライスもスプーンで頂いた。

お腹が膨れたら鳥取花回廊へ出向き、宝探しゲームで楽しもう!

しかし  暑い

宝探しも   テンション下がる・・・

だんだん  腹立ってくるし・・・・親子げんかになるし・・・


宝探しの説明を受け、ウキウキの状態

色とりどりでキレイな花回廊・・・でも、暑い


最初のお宝発見〜

けんかもしてヘトヘトになった挙句に、ようやく最後のお宝に・・・

お宝の正体を突き止めるまで散々苦労して・・・もらった物は、延板型の容器に入ったティッシュ↓

地蔵滝の泉で清めた爽やかさも、お腹一杯になった幸せも?
すべて消し去るような暑さと邪魔臭さ。
疲れ果てて親子の関係も険悪ムードになり、最後は好きにせぇ!

先にクリアしたお客さんから情報をもらい、
詠人を誘導しようやくお宝ゲット・・・それが何と、ティッシュでっせ・ティッシュ!


アイスを手にしても笑顔無しの詠人

その上 楽しみにしていた「梨ソフト」は、
デリケートな梨の風味を完全破壊する着色料&香料の化粧アイス。
花びらコーンからは強烈な日差しで溶かされた、
液体梨ソフトがどんどん手を伝わりベタベタに。

何か 楽しみに来たのに、イライラしてる俺たちって・・・

でも そんな俺たちを優しく迎えてくれるのは、やはり大山。
角度を変えて見るその姿も美しい。


でっかいぞ〜ポーズも疲れ気味だが

今夜のお宿は大山ペンション村にある「エルモンテ」、
子供連れに優しい創作フレンチを出す宿だ。


ペンション エルモンテ、右の屋根の下が唯一喫煙可能なオヤジの憩い場だ

先ずは汗だくの身体をお風呂でキレイにし、
風呂上りのスイカでクールダウン。
オヤジはビールも飲んだが、予想通りスイカとの相性は最悪だ。


子供の遊び場は一杯、スイカは旨いがもちろんビールとは・・・

そして創作フレンチを名乗る夕食を楽しみに食堂へ。

白ワインが飲みたかったので「どんなワインが有りますか?」
・・・と尋ねると、「ドイツの甘口で、飲みやすいワインです」

あぁ〜 このパターン・・・
20年前までは街中のレストランでも有りがちだったが、
今時 ドイツワインしかないって・・・辛いのぉ〜。

結局 ペンションオリジナルラベルを貼られたカビネットを注文、
甘さは出来るだけ感じないようにと自分に言い聞かせボトルに立ち向かう。


お子様用の創作フレンチ?コースのメインは、あろう事かハンバーグだぁ〜

創作された「ムニエル」に苦笑い

予想はしていたが前菜盛り合わせ〜スープ〜魚〜肉、
美味しかったのは最後のローストポークだけ。

とくにヒドイのは魚料理・・・
「カレイのムニエルでございます、上にポルチーニ茸のクリームソースと
和風だしをかけております・・・」

ムニエルって「粉屋風」なんで、小麦粉をまぶしてバターで焼き上げる・・・。
それくらいちょっと料理に興味があれば誰でも知ってるはずなのに、
粉どころか冷凍のフィレを解凍しただけ(チンしてるかも?)の白身に唖然。

あかん・・・食べられへん・・・と、苦戦しているオヤジを見て詠人が
「お父さん どうしたん? 美味しくないん?」と・・・

隣りのテーブルのママたちは美味しい美味しいって食べてるので、
「し〜っ」!


持て余したデザート

最後のデザートが出ると主人が皆に、
「今日は夏休みなんで、特別にコーヒー・紅茶をセルフでサービスします」・・・
それって特別じゃなくって、最初から決まってることやん。

どっちらけな劇場型・創作フレンチの夕食後は、夜の大山をぶらり。

最後はテラスでスキットルに入れていたモルトを飲みながら、
おやつのポールウィンナーをかじって気持ちを静める侘しい幕引きだ。

8月16日(月) 大山〜関金温泉〜湯原温泉

昨日は詠人の遊びに力を入れたプランだったが、
今日はオヤジの楽しみ・・・そう、温泉巡り中心で行きたいが
朝から激暑のため嬉しく無さそうな詠人。

最初はお菓子の試食を食べまくれるというお菓子の城‘壽城’へ。

途中のコープで氷を購入し車に乗り込もうとした時、
眼の前を何も見ずにバックするあほな神戸ナンバー車。

その先には駐車場に入ってきたものの、
あほ車のバックに気付き停車する地元のおばぁさんが運転する軽トラ。

「あかん・・・危ない」と叫んだものの、完全なアホはそのままバックでグシャっ!

車から出てきたアホは事もあろうに「すみません」じゃなく、
自分の車のテールを点検・・・

その姿に憤る目撃者のオヤジは憤慨!
「自分の車の心配じゃなくって、先ずはごめんなさいやろ」と言うと、
「何や〜 お前〜 関係ないやんけ〜 いてまうぞ〜」

助手席のアホも「お前大阪のヤツか〜 どつきまわしたろか〜」

子供の目の前だというのに、汚い言葉がためらい無く連発

そのアホ二人を止めに入った仲間の中年オヤジは、
「やめとけ やめとけ あんなヘタレ 相手にすんな」

・・・類は友を呼ぶというが、寄りにもよってアホばかり。
所構わずアホを撒き散らす関西系の輩にげんなりして現場を後に。

そして詠人メインのお菓子の城で試食を満喫し、
おみやげを購入したら三度あの聖地「地蔵滝の泉」でサッパリしよう・・・
と、行ってみればここでも唖然とする光景が・・・

バーベキュー・遊泳禁止の泉の畔で、
大阪ナンバー・和泉ナンバーのヤクザ家族たちが大宴会。
最後は紋々全開の素っ裸で泳ぎまわる始末。

ここでもか〜 関西の輩・・・恥ずかしい↓


この清らかさは・・・残念ながら、ど派手な紋々全裸で・・・

地蔵滝の泉に別れを告げたら、大山名物「みるくの里」のアイスクリーム!
大山の観光客は全員訪れるのではないかと思われる人気スポットで、
新鮮で濃厚なミルクでつくるアイスが美味しい。


牧場の牛さんたちと雄大な大山と、うちの子豚さん

濃厚アイスに納得の詠人&表大山にお別れ前のセリカC

詠人のお楽しみを続けたらオヤジの楽しみ、裏大山を走り関金温泉に向かう。

冬場は閉鎖されているこの道がなんと素晴らしい事か!


こんなキレイなブナ林が続く道〜ええよ!

泉でスッキリした体に吹き抜ける風は、
瑞々しい緑が輝くぶなの原生林でさらに磨き上げられ爽やか至極。
オープンカーの醍醐味が存分に味わえるルートだ。


突然ブナ林が切り裂かれた二の沢

そして忽然とその姿を現す荒々しい自然の姿・・・二の沢だ。

そこから少し走るとまたまた現れる沢・・・三の沢は、さらに迫力満点。


こちら三の沢では詠人が撮影担当

ここから40数キロのワインディングロードも素晴らしい!
やまなみハイウェイにも匹敵する爽やかな風景を堪能しながらの走りを満喫するオヤジの横では、
すやすやと深い眠りに就く詠人。

もったいないなぁ〜と思いつつも、寝る子は育つ。
若干 横に育ちすぎではあるが、子供は寝るものだ。


裏大山の素敵な姿を目の前にしても、ぐっすり眠る詠人の顔がミラーに・・・

以前から楽しみにしていた関金温泉は、
なめらかで柔らかいかけ流しの湯が自慢のひっそりした温泉街。
とはいえ お盆のハイシーズンにも関わらず、
宿泊客などで賑わう様子は全く無く完全にうらびれている。


「ボクこの温泉好き!」と詠人納得の、ぬるめの柔らかいお湯

源泉掛け流しの共同湯「関の湯」は、親子二人で300円という泣けてくるプライス。
ぬるめの優しいお湯は猛暑でへたった身体に、優しくしみわたる名湯だ。

お風呂のあとは、少し遅めの昼ごはん。
道の駅・犬鋏(いぬばさり)で、地元の奥様が渾身の料理を出す素敵な駅。

おみやげを購入した後は食堂で、野菜カレーをチョイス。
スパイスからしっかり仕込んだ香りの豊かさと、
煮込みだけではなく焼いた野菜もタップリ入ったグッドメニュー。
今回の旅行で一番美味しかったメニューだ。


犬を挟むと書いて「いぬばさり」と読む道の駅で、素敵な野菜カレー!

ここでも昨日のカレー同様、添えられたサラダには太いキューリのスライス。
しかしながらフォーク無し・・・どうやらこれは大山エリアの文化なのか?

続く温泉・湯原温泉に着くと詠人は「ボク もう温泉入りたくない」


ダムを臨む露天風呂・・・には結局入らず

せっかく雄大な露天風呂に連れてきたのに・・・仕方なくオヤジだけ入浴。
旅館で帰り道の渋滞状況をチェックしてもらい 、
思いのほか渋滞がない様なので帰阪を決定。

その前に目に飛び込んできた射的場、もちろん「やりたい」という詠人。
この旅の最後の思い出に、射的をさせてやることに。


玉を込めて・・・ここを狙って・・・見事 まぐれのダブルゲット!

18歳未満入場禁止の張り紙も、拾い玉無効の看板も・・・
一切お構い無しの満点おまけサービスで、
商品ゲットの個数を落とすまでずっと遊ばせてくれる優しいおじさん。

そうこうするうち ノーゲストだった射的場には、
次々とお客さんが訪れ気がつけば満員御礼の賑わいに。


おまけおまけで打ち続けるうちに〜満員御礼、ようやく商品ゲットの詠人

帰り道の渋滞は思ったより少なく、
春の連休の悪夢再びとはならず無事大阪にもどり詠人を送り届ける。

Amore 八木 夏休み最後の夜は、
水風呂を求め また一人銭湯へ向かう寂しい夜でもあった。