Amore 八木の酒落徒然


2009年1月の日記



Amore 八木の島根温泉一人旅・温泉篇


霊泉温泉津・薬師湯・・・流れ出た湯の集積物は神秘的

1月28日(水)温泉津から・・・

1、 ☆☆☆☆ 温泉津温泉・元湯


堂々たる歴史感ただよう湯治の湯

タヌキが発見して以来1300年の歴史を持つ温泉津の源泉、
薬効あらたかな霊泉を求め朝早くからファンが通い詰める温泉共同湯の権化だ。

私が訪れた朝6時半には既に常連客で賑わい、
ただならぬ気配に圧倒される。

熱い浴槽と、ぬるい湯を湛えた副浴槽が連なるが、
ぬるい方でも46度という厳しい高温で
入浴客もほとんどがずっと浸かるというより入っては出て出ては入るという感じ。

高温の薬湯の余韻とミネラル豊かな湯気を全身で楽しんでいるようで、
浴槽べりなどでおしゃべりをしながら時々汲み湯をして
肩や頭からかぶりゆったりと過ごしている。

鉄分豊富な茶褐色の湯は含土類食塩泉で、日により温度や色合いも変化するらしく
「こないだの金曜はぬるい方でも48度近くあったわ」などと語らっていた。


源泉が流れ込む上にはお地蔵さん

写真を撮ろうにもあちこちにお客がおり、いけない部分がどうしても映るので断念。

肝心のお湯は冬の朝の冷え切った身体を一気に温めるパワフルさ、
鉄分の多い温泉にありがちなギスギス感は無く
濃厚でまろやかなエネルギーに満ちたお湯だった。

共同湯なので細かい事は言うべきでもないのかも知れないが、
脱衣室の雑然感やメンテナンスの今いち感
そして商売熱心な部分がやや興ざめでフルマークとは出来なかった。

2、 ☆☆☆☆☆ 温泉津温泉・薬師湯


古い温泉街には意外なモダン建築の薬師湯

日本全国には一体いくつの薬師湯があるのか判らないが、
間違いなくここ温泉津温泉の薬師湯は深く印象に残るだろう。

元湯はタヌキが発見したと言ういわれだが、
こちらはナマズがシンボルとなっている。

と言うのは「明治5年(1872年)の浜田大地震の時に
地殻変動で大量に噴出した温泉なので、『震湯』とも呼ばれているからである。


源泉の流れ込む注湯口にはシンボルのナマズが

温泉津の薬師湯(湯元)は、日本温泉協会の天然温泉の審査で
最高評価の認定書を受章。
全国に僅か12箇所しかない「オール5」の評価を受けた,
自然湧出の本物のかけ流し湯の温泉です!
オール5は中国・四国地方では薬師湯だけです。」

このインパクトのあるうたい文句に惹かれ憬れた温泉津温泉、
歴史の古い元湯とはライバル関係にあるのだが
熱い熱い元湯に比べ、こちらは43度ほどのベストな湯温。
少し緑色を感じる薄にごり淡色のお湯で、
ゆったりと地下のエネルギーに触れ薬効を堪能することが出来る。


中央配置好き・褐色析出物大好き・お湯の色とのコントラスト愛してる。


貸切り状態で味わった五つ星の温泉・これを贅沢と呼ばずして何と言おう。

ライバル元湯同様に商売熱心な薬師湯だが、
こちらは明らかにサービス精神に満ち溢れている。

フロントのお姉さんに挨拶し、お金を払おうとすると
「初めてですか?」から始まり温泉の説明〜2・3階の休憩スペースの案内。
さらには無料サービスのコーヒーの説明、
そしてまだまだ続くバルコニーから見る温泉津や石見銀山を望む景観の説明。

少々?きついものは有るのだが、心底もてなそうという思いが伝わる。
旅先での喜びは初めて出逢った方から、
心の垣根無く真心で接していただいたときに実感するものだ。


3階のバルコニーで火照った身体を癒す・・無料だがイケるコーヒーと共に&温泉津の町並み

滑らかで豊かな成分のお湯が適温で溢れ、
質素だが美しい空間でのんびりと過ごし温まる。

そして火照った身体を3Fバルコニーで風を受けながら冷まし、
2Fの休憩所でゆったりくつろぐ。
しかもこれが全て300円で楽しめるとあれば、
この世の極楽と言わずして・・・そう、地球から愛をこめてなお風呂がここに在るのだ。

3、 ☆☆☆ にしき湯 (益田市・銭湯)


可愛らしい‘ゆ’の電飾看板は庶民のライフライン

はるばる益田まで居酒屋田吾作のイカ刺し目当てに旅した帰り、
酒でのぼせた頭をスッキリさせるため&冷え切った足を温める為
この地に唯一残る銭湯を訪れた。

繁華街の中にあるにしき湯は、一度廃業されたが
望まれて市が運営する形で再興されたということを後に知った。

ハイポジションな番台のおばさんにお金を払い、
飾り気の無い脱衣場で一気に服を脱ぎ浴室へ。

明るい浴室内には老人の先客がお二人、
すぐに仲良くなりお話しすると
近くにある温泉入浴施設より、こちらのほうがよっぽど湯が綺麗で良いのだそうだ。


綺麗なお湯がタイル貼りの浴槽ぶちからたおやかに流れ出す幸せ。

なるほど納得なお湯の美しさで、
朝から濃厚な褐色系の温泉に続けて入った私には、
違う意味で癒し効果抜群・・・気持ち良いひと時を楽しませていただいた。

4、 ☆ 城山温泉旅館のお風呂


しょぼいとは予想していたが・・・

この日の最後は宿泊先の源泉浴槽だが、
この湯は一体いつのお湯なんだろうか?

三瓶山のふもと大田市にある温泉旅館だが、
ここのコメントは辞めとこう・・・あまりにあまりだったから。

1月29日(木)の温泉

5、 ☆ 池田ラジウム鉱泉


無休のはずなのだが・・・

日本1のラドン含有量を誇るらしいが、
張り切って朝1番に訪れたにも拘らず休んでくれてましたわ・・・ほんま。

6、 ☆☆☆☆ 小屋原温泉


素晴らしい・・・この煌きを独り占め。

ガッカリから一気にテンションが上がった田舎の一見宿にある温泉は、
4つの個室風呂があり それぞれを貸切で楽しめる。

私が入ったのは手前から3つ目で、一番良さそうな部屋?風呂だった。


静かな山間の1軒宿、冬の朝はひっそりと静まり返り俺だけの世界。

鉄とマグネシウムなどを含んだ塩化物泉は湯の花ドバドバ、析出物もハンパではない。

37.6度の自然湧出泉は、どこまでも優しく・・・小上がりの上は脱衣場

せっかく貸し切りなので窓を開けると山之辺につもる雪

柔らかだがミネラルなどの有効成分タップリな感じがたまらないお湯、
でも真冬は少しだけ温めたほうが良いかも・・・温まるのは温まるのだが。

でも1時間 この素敵空間を楽しんで1000円は安い(1人だから)。
雪見風呂も良いが今度はもう少し穏やかな季節に訪れてみたい。

7、 ☆☆☆ 三瓶温泉 さんべ荘

島根の山のリゾートといえば三瓶山、
久しぶりに(40年近く)訪れてみると温泉があちこちに。
でも考えてみれば、子供の頃にはここまで温中人間では無かったから覚えていないだけか。

手っ取り早く入った国民宿舎さんべ荘は、
あまり期待していなかった分良い意味で裏切られ楽しめた。

それはまるで日帰り温泉施設のようなデザイン&設備が中にあり、
ここが国民宿舎の中だとは思えない雰囲気だ。


山のてっぺんあたりなのにアルカリ食塩性炭酸泉なお湯は、この辺り特有の褐色系にごり。

高原の冷涼な空気の中ではいる源泉風呂は心地よく、
充実設備の中で時間を忘れて楽しめた。

8、 ☆ 三瓶温泉・薬師湯

12時からと思って訪れたが冬場は16時からに変更・・・また入れず。
詳しくは村の情報から

9、 ☆☆☆ 三瓶温泉・亀の湯(たぶん夏場はもう一つ二つ☆)



これぞ温泉共同浴場そのものの外観・・・工事中だが

今回の温泉旅行で最も楽しみにしていたうちの一つがこの亀の湯、
楕円形の可愛い浴槽にとうとうと流れる源泉が魅力の共同湯だ。

しかし冬はぬるくて入る人がいない上、
当日は雨漏りの工事のため閉鎖?されている状態だと向かいの酒屋さんで伺う。

が、楽しみにしていた温泉共同湯を
たかがそれくらい如きでは諦められるものかと強行入湯。


ここも大好き楕円浴槽中央配置

37度ほどあるらしい源泉は浴槽内では軽く35度を下回る、外気温はマイナス3〜4度。
なんで湯気は立派に立ち込めてはいるのだが、ぬるいものはぬるい。
入っている時はぬるい感じだが、上がった瞬間に寒いぼ総立ちでヤバイぜ。


見るからに温かそうな掛け流しの湯は、おそらくアンダー35度。まろやかで豊かで美しいが・・・

これからもずっとみんなの宝物である源泉が流れ続けますように・・・

真冬以外なら間違いなく長湯しまくるだろう素晴らしい湯。

私が愛して止まない「地元の人々に愛され続ける歴史ある温泉共同浴場」の
そのままの姿が、この亀の湯には有り心も満たされる。

風呂から上がるとマッハの技で身体を吹き上げ服を着る。
心なしか温まった気がしてテンションは上がったままに・・・
しかしこれが全ての間違いの元だった。

10、 ☆ 千原温泉

次に訪れたのは小屋原よりもさらに奥深い田舎の1軒宿へは、
迷いに迷って1時間少々・・・ぬるい亀の湯からオープンで走ったせいか
完全に冷え切った身体で到着。
しかも無休のはずのこの温泉も・・・・

「温泉ですか?今日は木曜日なんで休みです、どちらからですか?」

「大阪から来ました」

「そうですか・・・」・・・以上、あっさりと。

完全に雪に埋もれた道をひた走り、ようやくたどり着いた
含二酸化炭素-ナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉。
浴槽の底からポコポコと湧き出る炭酸ガスに包まれて入る・・・
といった素敵温泉を夢見たが。

休みですって・・・HPの存在を知らず訪れた私がバカだったのか、
あまりに寂しい冬のガッカリでした。

11、 ☆ 潮温泉


江の川の眺めを楽しめない事は無いが、この湯では・・

山奥の温泉ながら‘潮’温泉と名付けられたこの温泉に、
約2時間ぶりに暖をとりに訪れたが
濃厚新鮮掛け流し温泉ばかり入ってきた自分には
温まりいはすれど何の嬉しさも感じられない温泉だった。

ホームページの綺麗さを信じて行った方は、
‘やられた感’を覚えずには・・・田舎の鉄筋コンクリート宿だった。

ジャグジーの浴槽には湯は無く、
主浴槽には鮮度の無い循環湯が流れる。

鹿が発見したとされる昔の温泉の姿はそこには無い。


12、 ☆ 湯抱温泉


静まり返った湯抱温泉の町並み

千原温泉で蹴られ、潮温泉でしらけ今度こその想いで
小さな温泉街 湯抱温泉を訪れたが「シーン」。

冬の山陰・三瓶の温泉は静かだが、
どの旅館の玄関やフロントにも人の気配は無く
また「今日は休みです」みたいな断られ方をする事に
恐怖を覚えるようになった私は、
どの玄関を叩くでもなくこの静かな温泉街を後にしたのだった。

13、 ☆☆ 有福温泉 やよい湯


山肌にへばりつく様な可愛い共同湯やよい湯

千原温泉に入れず以降どんどんダウンする体調、
そしてじわじわ上がる熱・・・
江の川沿いに2時間以上かけてたどり着いた有福温泉は、
いかにもと言った山あいの温泉街で
あちらこりらから沸き立つ湯気と坂道の石畳が美しい。

その中でも一番小さく可愛い共同湯がやよい湯だ。


熱でのぼせて顔は赤く・・・可愛い浴槽は2人ほどで・・・

真新しい建物はフロンと式?で、料金を払い階段を下りる。
小さなf脱衣場に小さな浴室、でも久しぶりの温泉?(普通はそうは言わん)&
久しぶりの白湯に傷ついた心身ともに癒される。

もう少しゆっくりと癒されたかったが、
マナーの悪い常連客?が来たので早々に引き上げた。

14、 ☆☆☆☆ 有福温泉 御前湯


レトロモダンな洋館は温泉街とユニークに溶け合う

湯気が立ち昇る坂道を登り、
古い温泉街とユニークなコントラストを見せる美しい洋館が見える。
地元の方々も観光の方々も愛して止まない共同湯・御前湯だ。

私の訪れた夕方は、多くの入浴客で賑わっていた。

さらりと滑らかで優しい白湯は、深い浴槽にタップリと流れ
旅の疲れが一気にほどけて行く。

一風変った注湯口4本は石臼のような形状の柱から突き出て、
四角い浴槽に注がれる姿も愛おしいが
折角なら先端のパイプ部分の部材にこだわりが有れば尚更良かったが・・・。


綺麗に整備された浴室内は歴史感こそ薄いが、柔らかなお湯は極上の癒しを供す。

明るい陽をもたらすアーチ型の窓&その外観


重厚な手すりの階段を上がると、ほのぼのとした休憩室。階段の下はフロントで優しいおばさんが待機。

温泉津温泉の薬師湯とよく似たコンセプトで、
ホスピタリティーに溢れた休憩室完備の共同湯はお茶が自由に飲め
畳の上に座布団を持って上がりゆったりと休める。

疲れた身体を座布団を並べ、しばし横にならせてもらい充電完了。
温泉津までの陸路を走る勇気をもらい、素敵温泉 有福・御前湯を後にした。

15、 ☆ 有福温泉 さつき湯


有福温泉の中心にある駐車場前で人気のさつき湯

ここも魅力的な共同湯だが、
熱でのぼせ体力の限界を感じ残念ながら入らずに・・・

16、 ☆☆☆☆ 温泉津温泉・小浜湯


可愛い半円形+副浴槽風注湯槽?の組み合わせ

温泉津温泉の二つのライバルから少し離れたところにある共同湯も、
元湯との忘れがたい因縁があったようだ。

温泉を掘り当てながら元湯から何故かクレーム、
その上裁判まで起こされて折角の源泉を埋めてしまわねばならない破目に。
元湯のオーナーは余程 地元の有力者だったのだろうが、
今時考えられないエピソードを教えてもらった。

湯が注ぎ込まれる部分の機械からは「カチン・カシャン」と金属音が断続的に響き、
どこにも無い小浜湯独特の空気感がただよう。


ステンレスのパイプはスチームの煙突、温泉津では最もさらり&最も適温

薬師湯よりも少しだけ低めの温泉は正に適温、
冷泉をスチームで間接的に温めよくそうに流しているらしいが
温泉津温泉の3つの共同湯の仲でも
一番優しい空気が流れ好印象を持った。

男湯の先客も、女湯から上がったお客もみんな
「こんばんわ〜」挨拶が飛び交い、
フレンドリーなフロントのおばちゃんを中心に暖かいムードに溢れる
共同湯ならではの風情が素晴らしかった。

17、 ☆☆☆☆ 温泉津温泉・元湯アゲイン


2回目の入湯で写真確保・この析出物の堂々たるや・・・おっちゃんの方が熱いほう

18、 ☆☆☆ 出雲駅前・らんぷの湯


昼でもさほど明るくない浴室内を照らすランプ

なんとJR出雲市の駅前に有るS銭湯だが、デザインが良いのが特徴。

スペースに制約があるぶん、無駄にバラエティーを狙わず
限られた空間で演出できる効果の高いデザインを狙ったようで好感が持てる。

こちらも三瓶山周辺の温泉同様に鉄分を豊富に含んだ褐色の湯だが、
おすすめは露天の石棺?みたいな浴槽だ。


駅前になんと温泉・しかも竹林・・・デザイン性豊かな温泉施設だ。

三つの石棺と一つの五右衛門、石棺は加温源泉で
五右衛門は非加熱の源泉・・・水風呂代わりに楽しめる。

さすがに真冬では今一温まり感に欠けるが、充分楽しめる温泉施設だ。

19、 ☆☆ 松江アーバンホテル別館 展望浴場


夕暮れの宍道湖を見晴らせる大浴場

温泉自体はどうって事無く、温泉感も味わえないが
宍道湖を眺めながら入れると言う事で☆2つを進呈。

20、 ☆☆ 松江シティーホテル別館 客室


ホテルの客室の蛇口から源泉がそのまま・・・

見た目には全くの自宅マンション風呂風・・・
でも実はホテルの部屋に源泉を直接流せるようになっているらしい。

心なしか湯にパワーがあるように感じるのは、
‘源泉’たる所以だろうか?

今回の旅で最後の入泉とあいなったお風呂でありました。

三瓶山周辺や出雲湯村など入るつもりだったにも拘らず、
体調ダウンにより断念した数々の温泉・・・
数年前なら3日間でアンダー20なんて考えられなかったのだが、
トホホだらけの、Amore 八木の島根温泉一人旅は終了でござる。



続きは近日UP

続いて奥飛騨温泉郷篇もあるでよ