Amore 八木の酒落徒然


2009年10月の日記


最後の現役三助さん&東京ラムセミナー


斉藤湯の三助・橘さんとのほっこりタイム

Mojito 7 BARをオープンして半年・・・
ラム愛は高まるものの、勉強するにも大阪ではラムのセミナーは開催されない。

東京では毎月のようにラムのイベントが開催されるが、
ほぼ全てが平日で参加するには店を閉めて行くしかない。

そんな折 ミクシィに「三助さん体験」の書き込みがあった。

日暮里にある斉藤湯さんで今でも現役の三助さんが活躍中とか・・・
それは行かねばなるまい。

銭湯ラバーとしてこの貴重な文化に触れずしてラバーを語る無かれ、
気になっていた「あなたの知らないアグリコールラムセミナー」と合体させ
恒例?の銭湯旅行を企画した。

まずはヤフーの国内旅行で往復の飛行機と宿泊がセットになった、
お得なツアーを確保し東京へ向かう。

伊丹空港でシガーカッターとツールキーホルダーを没収され、
羽田で還してもらう際に案内係りの女性スタッフの真心の無い対応にまずカチン!

セミナーに間に合わせるために朝から食事にありついてないアモーレ、
イライラモードはどんどん上向きに。

そして「あなたの知らないアグリコールラムセミナー」会場に到着。
武蔵屋主催で日本ラム協会が講習を担当する企画だが、
なかでも特に ラオスラム・ラオディーの技術者・井上さんの講義に感銘した。

さとうきびの栽培から蒸留に至るまで、当事者から直接聞くことで
ラムに対する熱き思いを知り「来て良かった〜」と満足気分になった。

・・・・ のもつかの間 渋谷から山手線に乗り日暮里に向かうにはどっち回りが早いか
ホームの駅員に尋ね、その通りに乗り込んだがやたらと遠い。

路線図を見るとこの回りでは日暮里まで17駅・・・
反対回りなら10駅・・・あのボケ、ええ加減にせなあかんで・・・と
さらにイライラモードは上昇。

日暮里を降りてタクシーに乗り込んだが、
この運転手がまた態度悪い。
地図を見せて住所番地を告げたのに無反応・・・

「聞こえたんかいな?」と問いただすと「はぁ〜」、
「聞こえたら返事しようぜ」というと、またしても「はぁ〜」

アカン 東京の奴らはクソばっかりやんけ!
イライラモードはもう頂点に達する勢いだ。

しかし!
東京には確かに真心薄いクソが多いのも事実だが、
銭湯は別なのよ、素晴らしいのよ。

まぁ見栄張りの東京人らしく見た目を重視する気風があるお陰で、
銭湯の建物の外観や装飾など大阪では滅多にお目にかかれない
素晴らしくゴージャスでかっちょいい銭湯が多いのだ。

ここ帝国湯もその一つ、これでもかと言わんばかりの
金掛かりまくりゴージャス銭湯だ。


見事なまでの宮仕事・・・重厚な格天井と美しい窓から差し込む光が堪らない

番台のおっちゃんが表で油を売っていたが、
オイラの来店を察知し慌てて番台に滑り込む様子を見たため
明るいうちの外観写真は撮る間が無かったが
扉を開ければそこはもう美しき日本建築の重厚なる空間。

「大阪から来ました」と告げると
「結構遠いところからお客さん来るんです、渋谷とか・・・」
・・・確かに、オイラもその渋谷から来たのだけど。


九谷焼の色美しきタイル絵にはタイムリーに紅葉がたなびき、上には見事な西伊豆からの富士山

反対側の男女仕切壁には湖のモザイク絵がどか〜ん!照明のデザインも古きよきデザイン

もう浴室内に入ってしまえば目眩しそうな素敵空間、
富士山の定番ペンキ絵に高価な九谷焼の美しきタイル絵
そしてこれでもかとダメ押しするモザイクタイルアート。

もう完全に興奮モード突入・・・さっきまでのイライラモードは何処へやら、
完全に帝国湯のオーラにやられまくり
ご主人のお言葉に甘えゆっくりとこの空間をいつくしむのだ。

浴室側にも横庭を携えたゴージャスなパターンは珍しいし、
たって入れる深さの薬湯も珍しい。

見所満載の帝国湯、こちらがゆっくり入っている間に
お客さんは2回転〜東京の方は早いね〜風呂上がるの。
しかし これがまた良いのよ、
お客の引いた浴室に張り詰める凛とした空気感。
大阪ではまずお目にかかれない、整然と清潔のお風呂場・・・好きやねぇ!


どうですか?この景色・・・開店前や閉店後と違いますよ!

浴室横にも庭が設けられ、もちろん脱衣場側には立派な前栽〜ここで涼むのが最高!

アカン、お風呂のページじゃないのに
あまりの素晴らしさについつい長々と・・・続きは5ケロリンのコーナーに〜

日暮里では三軒の銭湯を巡ろうと思っていたが、
空腹と疲労に体力は大幅ダウン・・・
2軒目の玉の湯はパスしてメインディッシュの斉藤湯に体力を温存することに。

ぶらりと日暮里の街を歩きのどの渇きを癒すべく、寿司屋に入り一服。
蒸しアワビや芽ネギのにぎりをつまみにビールを。

そしていよいよ斉藤湯、
期待感ばりばりの三助さん体験が待っているのだ。

待っていたのはオイラだけではなく日本テレビの撮影スタッフも・・・
「ながし」・・・いわゆる三助さんを利用する客をTVカメラに収めるべく待ち構えていたのだ。

「日本テレビですけど、ながしされてるところを撮影させていただきたいんですが」・・・

俺ってよほどお風呂&TVに縁があるのか、
二十歳過ぎにニュースステーションと遭遇した庄内の五色湯
3年前の群馬・草津温泉・白旗の湯に続き3回目のTV出演だ。

わくわくドキドキで三助さん登場までお風呂に入るが、
もう充分 帝国湯でそっちのほうは済ませているので落ち着かない。


こちらは現代的なタイル使いの斉藤湯、ちょいのぼせ加減なオイラは温まるふり?

5分ほどすると「ながし 斉藤湯」の木札を目指し橘さんが登場、
それと同時に日本テレビの撮影スタッフも入場。
普段ひとりで身体を洗う〜図〜とは大きく異なる不思議な景色だ。

「これでですね」とオイラのビオレを彼のあかすりに注入。
こっちのケロリンあかすりを見つけると「これは珍しいねぇ」と言ってくれた。

この「ながし」の為に帝国湯では背中だけは洗わず、
橘さんのプロの技を堪能しようと思っていたが
意外とあっさり背中流しは終わりあとはひたすらマッサージをしてくれる。


左が400円の別料金で手渡される「ながし」の木札、やさしい橘さんにマッサージをしてもらう俺

情報では合計10〜15分の「ながし」時間だったが、
何だかんだと話が盛り上がったからか?
しっかり30分近くマッサージをして頂いたような気がする。

「ちょうど今頃が暑くも無く寒くなく、汗も出ないし最高の季節よ」
とマッサージをしながら橘さんは言っていたが、
身体を動かしている三助さんと違い濡れタオルを肩に
ただ座ってしゃべってるオイラは若干湯冷め加減。
気持ちいいけど、ちょい寒くなって来たかな〜

富山出身の優しき男の真心こもったサービスに、
身も心もほぐされ大満足・・・また東京に来たいなぁ・・・と真剣に思ってしまう。

斉藤湯も脱衣場には庭が隣接され、湯上りの涼みはバッチリ。
立派な鯉を眺めながら、リッチな気分でくつろげるのだ。


前栽でお決まりのポーズ&イベントのちらしやアンケート用紙など積極姿勢が嬉しい。

帰りがけにフロントに座るご主人と話したが、
ブルックスブラザーズのボタンダウンとしゃれ込んだ伊達男。
絵心もあり、さらっと筆ででしたためた「入浴来福」の紙を記念に下さった。


フロントカウンター左に「ながし400円」の張り紙&「入浴来福」の紙

「バーテンダーってあらゆる職業の中で、最もすばらしい仕事のひとつですね」と、
これまた嬉しい事を言ってくださり益々良い気分。
再びの入浴を誓い、斉藤湯を後にする。


すっかり日も暮れて・・・夜の闇に浮かぶ日暮里・斉藤湯&イルミネーション

風呂上りに腹が空くのは普段からの習性なのか、
やはり小腹が減ったので駅前のラーメン屋に突入。

「馬賊」という名の手打ちラーメン屋の中は無愛想で人相の悪い中国人が、
バッタンバッタン騒々しく今一なラーメンをこしらえる。
はっきり言って美味くないのだが、それでも客で溢れるのは東京の凄みだ。


不ぞろいで単調な手打ち麺に出来合い調味料のスープ・・・頂けませんなぁ・・・

そして本日のお宿は昨年4月に引き続き、ドーミィーイン八丁堀
温泉つきホテルで終夜入り放題、そして何よりここの売りは朝食!
朝から品数豊富で美味しいバイキング、しかも野菜は多いし
なんと温かい出来立ての煮物が並ぶのだ。

チェックイン後しばらく休憩し、今夜のメイン〜西麻布の「タフィア」に向かう。
今日の「あなたの知らないアグリコールラムセミナー」の講師を務める、
ラムの世界では名を知られたスペシャリストのお店だ。

生憎今夜は店主不在だったが、それは承知の上で訪問。
まずはお決まりのモヒートからはじまり、
・ビエールのカポヴィッラ
・クレマス(ハイチの練乳入りラムリキュール)
・ネイソン エルブスーボア
・ロングトー ヴィユーを飲んだ

特に最後の2発はかなり美味い!さっそくうちの店でもラインナップが必要だ。

そして仕上げは銀座の MORI BAR 。
言わずと知れた有名バーテンダーのお店だが、
深夜であるにも拘らずカウンターは満席なので、しばらくモヒート飲みながらテーブル席で待機。

カウンターに案内されてからは、お約束の濃い濃いカクテルの世界。
ご紹介いただいたHBA副会長の石原さんの横で、
モンテクリストNo 5をくゆらせながら毛利さんと3人で盛り上がる。

タフィアから数えればモヒート2杯、
ラムのストレート6杯、
濃い濃いカクテル3杯&リキュール・・・さすがに飲みすぎか、
最後に食べて飲める店を紹介いただき
毛利さんのところのセカンドバーマン○○氏に案内してもらったついでに一杯つき合わしたが
そろそろ限界〜もう飲めません。

馬の生レバーをつまみに一杯やっただけで退散、
ホテルに戻ってからは一切記憶なし。

朝目覚めれば服を着たまま&ベットの掛け布団の上。
そのうえ楽しみな朝食時間をオーバーした9時5分・・・あぁ。

しかし男は気合だ!
時間の事は気付かなかったことにして、
手拭い片手に 食堂に突撃〜
ごぼうタップリの味噌汁と五穀がゆは、しっかり押えて
サラダ類と蒸し鶏&煮物で朝食完了。

後は朝風呂に一直線、露天で湯と冷泉を交互に楽しみ少し復活。

でも考えたら飛行機の時間、ヤバイやん・・・と言うより間に合わん。
まぁ とりあえず羽田に向かい浜松町でチェックインの段取りにカウンターへ向かうと、
「申し訳ないのですが113便は予定より1時間以上遅れております」。

ラッキー 間に合うやん、
その上お詫びの空港内飲食500円券をもらいどう使おうかと思案。

二日酔いでぐったりしたお腹にはお汁もんやろう
・・・と、500円の立ち食いかけうどんをオーダーしたが無理やねぇ・・・大阪人には。

ブラッキーな旨みなし塩分過多のうどんつゆは・・・
お金払ってたら怒るけどタダやし仕方ないか〜
9割がた残して飛行機に乗り込みひたすら眠り込む。

大阪に着けば早速うどん屋に駆け込みたくなるのはいつもの事、
刺激はあるけど何かと馴染めない東京文化。

でも銭湯は素晴らしい!
次回の訪問時もきっと銭湯中心のスケジュールになるのは間違いない。