Amore 八木の酒落徒然


2010年 5月の日記 1

 

ワールドビゲスト ディスクゴルフ ウィークエンド & 播州の流儀


松の木だらけの浜の宮公園 常設7番ホール

詠人不在の週末、5月16日(土)と17日(日)は
世界中で一斉に週末ディスクゴルフを楽しもうというイベント企画。

怪我をしてからというもの、たまにディスクを投げるくらいで
しっかりミッチリ練習したりラウンドしたり・・・という事が無かったため
もともと大した事無い腕はさらになまりっぱなし。

そうだ この週末は、なまった腕を鍛える格好のチャンス!
さっそく2日間のラウンドに備えるべくエバーホテルはりまを予約。
午後からのラウンドに間に合わせるべく、加古川に向けて出発した。

五月晴れの週末を、フルオープンで気持ちよくドライブ。
阪神高速の渋滞で冷やりとしたが、予定通り午後1時前に浜の宮へ到着。

ディスクゴルフウィークエンドの企画は、
より多くの方々にディスクゴルフの楽しみに触れていただこう・・・
なので、浜の宮の常設18ホールとは別に、
ビギナー向けに短い特設ホールが9つ設営されていた。

兵庫FDの会長であるSeigoさんと、常設のショートホールをラウンド。
もちろん氏の片手には缶ビール。

天気は上々、気持ちは良いのだが
相変わらずパットが入らないのでバーディーがとれない。

ひと通りラウンドを終えると、特設ショートホールをまわるが
相変わらず短いパットも外しまくりやばい状態。

一方Seigoさんは缶ビールの威力で集中力が高まり絶好調、
このまま一緒にラウンドしていたらかなり持って行かれそうなのでインターバルをとる。

近所の酒屋さんでスーパードライとタバコを購入、
ゆっくり煎餅などいただきながらくつろぎ
調子に乗って廻っているSeigoさんの集中力切れを待つ。

頃合いを見て再び一緒に回り始めた時には、
プレーヤーの数は七人ほどにふくれあがり
予定通りSeigoさんに疲れと集中力切れがありありで・・・うっしっし。

その後 常設のショートホールを再びラウンドし、
ワールドビゲストディスクゴルフウィークエンドの初日は楽しくお開きに。


松の木だらけの浜の宮コース・・・この辺りは例外的に開けているエリア

そしてこの日のナイトプランは、渋銭「扇湯」への訪問以外には決めていなかった。

何故なら ここ浜の宮公園でラウンドしている皆さん・・・
ほとんどジモティーなので、旨そうな情報をGET出来ない訳が無いからだ。

Seigoさんからは、串カツ居酒屋「はつね」を教えていただいたが、
最後に一緒にラウンドしてもらった塚原さんが
地元No1のお好み焼き「やじ喜多」へ案内してくださるとの事でそちらへ向かった。


重厚に歴史を物語る崩落しそうな建物が暮れなずむ播州夕闇にかき消される直前

到着したやじ喜多は、こちらの想像を遥かに上回る激渋ロケーション。
昭和20年代後半から時間の流れがストップしたままの風情、
これこそがお好み焼き屋さんの正しい姿であり王道である。

王道を行く店というのは、そう簡単に部外者の訪問を許すわけも無く
到着時に「あ〜 開いてた!よかった〜」と案内していただいた塚原さんも
悦びの声を上げずにはいられない「開かずの踏み切り」の如き
閉店時間の早さが高くそびえるハードルとなっているのだ。

お好み王の店には決まってガツンとしたおかんが居なければならぬが、
そこもきっちり・・・パンチの効いたおかん(顔撮りNG)が
客前の鉄板テーブル劇場で「我が道」を演じてくれるのだ。

泣かせるメニューは、お好み350円から・・・
我々は「豚月見」450円也×3つを注文した。

自分的にはすぐに焼きあがる焼きそばをアテにビールを飲み、
そしてメーンのお好み登場を待つ・・・スタイルなのだが
ここは紹介者である塚原さんの流儀に従うべきだろう。


パンチの効いたおかんの手により愛しのお好み焼きへと変貌を遂げる豚月見×3丁

ラードをたっぷり敷いた鉄板でこんがり焼きあがる・・・いわゆる豚玉・・・完成!

黒光りする年季の入った鉄板に白濁したラードをタップリ塗りつけ、
皺だらけだが力強い手さばきでざっくりネタをこねて焼き始める。

おかんの顔出しはNGなので手先だけしか映っていないのが残念・・・・

お客は我々だけなのだが、近所の油売りおばはんと喋っては
鉄板上のお好みの世話に現れ・・・そしてまたおしゃべり。
そのルーティーンが3〜4回繰り返された頃が、お好み完成の目安だ。

さぁ ソースをタップリ塗って・・・と思いきや、ソース入れの器には1人前弱という残量。
「おばちゃん、ソース入ってへんで〜」
・・・「となりの席のん使うて」
と、慌てることも無く、悪びれもせず堂々たる対応。

肝心のお好みは、ざく切りのキャベツの食感が楽しく
まったく真っ当な大阪のお好み焼きの味。
ソースもやや甘めでバランス良く、小麦粉・山芋粉・卵といった
シンプルな構成の生地と絶妙のバランスで懐かしい美味しさだ。

「早く行かんと閉まってまう」の言葉通り、七時前には暖簾を仕舞いこむおかん。
お客は結局我々だけなのに・・・。

続いては焼きそば3人前、
そしてここで驚愕の流儀を知らされることになる。


お好み・焼きそばの旬=キャベツの美味しいこの時期なのである

さぁ そろそろ待望の焼きそばが出来上がる〜ソースは控えめ・・・

なんと!焼きそばもコテで??? 塚崎名人の見事なコテさばき

焼きそばが焼き上がるとおかんは、
「お皿とお箸要る人」と挙手を求める・・・何故?

それは この辺りでは、焼きそばもコテで食すらしいのだ。

名人塚崎氏を除く2人は当然のごとく皿と箸をもらい食すが、
どうもアウェイな気分に苛まれてしまうのは何故だろう?
播州恐るべし!

しかも「このおばちゃんもだいぶ丸なったなぁ〜」と、しみじみ塚崎名人の談。
ちょっと前までは、皿や箸なんて頼める雰囲気じゃ無かったらしく
やはり恐るべし!

美味しいお好みと焼きそばでお腹もハートもホッコリ、
後は体の芯から温まるべく近所の激渋銭湯‘扇湯’へ向かうのみ。

偶然にも今回ぜったい訪問しようと決めていた扇湯は、
やじ喜多のすぐ近くで おかんの案内に従い歩いて1分・・・
かすかに薪が燃えた香ばしい薫りがするから嬉しくなる。


待望の扇湯玄関口・・・塚崎名人たちと、闇に浮かぶ湯の看板

漆喰調の塀に凸型玄関&前栽という典型的な関西レトロ系銭湯・扇湯の前で、
名人たちと別れ ここからAmore 八木の一人旅が始まる。


涙のエントランスからは番台が見えん・・・文庫本だらけで

「こんばんわ」と言いながら渋い渋いエントランスから番台横へ・・・???
番台のお姉さんの声はすれども姿が見えない。

暇つぶしのために置かれた大量の文庫本の山が、
さながらF-1マシンのコックピットのごとく積み上げられている。
という事は、ここの番台の姉さんはF-1パイロットという事か?


鍵もほとんど無くなった涙の木製ロッカー・・・明日はあるのか?

渋さと悲しさが同居する独特の空気感を全身に受け止めながら風呂へ向かうと、
おぉっ・・・こんなサイズの副浴槽は見た事無いぞ!
というくらいスリムな浅副浴槽コンビ型の主浴槽から湯気が立ち昇る。

昼間は暑かったがまだ5月、やはり夜になると冷え込んでくる。
さぁ 湯気の立つ湯にどっぷり浸かって心身を癒そう・・・???
あれ? なんかお湯がトロミを帯びてるし、ゴミも揺らめいてるやん。
これは少なくとも4日は湯を替えてないぞ!


湯桶の大きさから副浴槽の大きさが、タイル模様の見え方から湯の透明度が判るでしょ

せっかく播磨まで来て入らないというのも情けないと、
意を決してトロミのある湯に浸かり暖をとろうとするがヌルイ!
約36度ある無しの湯で温まろうと試みるが難しい。

一度温まると冷めにくい大阪型石の浴槽なのだが、
温まりきっていないので浴室も冷え冷えとして淋しい。

マイナス5度の気温時に35度のぬる湯に入り、
思いっきり風邪をひいた島根三瓶温泉・亀の湯の事が頭をよぎる。

あかん このままやと・・・また風邪ひいてまう!
まだまだ体調には自信を持てない身の上、退散するのが身のためである。

静かな浴室内は女湯の状況も克明に伝えるが、
どうやら向うには新客が訪れたようで現在2名様だ。
その新客おばはんは余りのぬるさに耐えかねて、
「湯〜ぬるいわ」と番台の姉さんにアピール。
すると姉さんは男湯から釜場へ向かい火をつけに向かったようだ。

それでも戻って浸かる勇気は起こらず、身を引くことにした。
だって恐ろしいんだもん!


地元民から絶大な支持をうける、串カツ‘はつね’

扇湯からホテルに戻る道すがら、
Seigoさんから情報をもらっていた串カツ居酒屋‘はつね’を発見。
そりゃ〜 入らん訳にはいかんでしょう。

こわもてのおやじさんや常連客たちにギロッと
「こいつ誰やねん」オーラバリバリに見られながらも風呂上りのビールを注文。
はっきり言って温もってないけど。

アテはお腹も空いていないので、アッサリめに馬刺しを注文。
恐らく穀物飼育(ハンガリー)のお馬ちゃんなのだろうが、
見事に刺しが入りキレイで美味しそうな馬刺しだ。


珍しい立て並べの盛り付けで登場した馬刺し&二度づけ禁止の極カラ濃厚ソースの串カツ

テレビでは阪神戦の中継が流れていたが、
珍しいことに阪神が打たれると拍手と歓声が起こるところが面白い。

カチカチの馬刺しを何とか溶かせながら食べていく間に串カツを注文、
1本50円という泣かせる値段のお値打ちカツだ。

しかし・・・何故か浅型平バットに注がれたソースを漬ける・・・1度で済むように・・・

しかし 一瞬何が起こったのか???なほど塩辛いソース!
もちろんジャンクなスパイシー感は当然主張しているのだが、
そんなことどうでも良いくらいの激カラだ。

温まっていない為減りの遅いビールも、一気にその残量を減らしていく。

やじ喜多のソースで安心し油断していたが、
ここは播州・・・スーパージャンクの地・・・油断禁物なのだ。

そうこうするうちに馬刺しの凍結が緩み、ええ感じに。
2本目の串カツには細心のテクニックを駆使し、やさしくソースを纏う。
常連さんたちとも会話しながら、地元感を堪能し夜が更ける。

ホテルの部屋に戻ったら早速湯を貯めて小さい浴槽で入浴。
オーバーフロー防止の穴をふさぎながら、情けない気分で温まるオヤジ47歳。

湯上りは缶入りハイボールを飲みながら、
赤くなってじんじんと痛む右足首と膝をアイシング。
明日は1日ディスクゴルフを楽しもうと思っていたが、
この様子じゃ無理のようだ。

5月16日(日) 快晴

シャンプーして、中々いけるご飯を食べて浜の宮へ。

この日は定例のマンスリー ディスクゴルフが開催される。

マンスリー開始の前に遊びで特設ショートホールをラウンド、
気負わず投げるパットが気持ちよく入りまくる。


ラウンド開始前のミーティング

しかし本番では嘘のように入らない・・・
まぁ ここんところいつもの事なのだが。

パットが入らないとショートホールでもバーディーが取れない、
そうなるとセットで面白くなくなりリズムに乗れない。
いつまでこんなパターンを続けるんやろと自分で嫌になる・・・。


午前のラウンドをご一緒いただいた柳沢氏のティースロー

浜の宮神社の鳥居、午前中のスコア集計をするOKプロ&柳沢氏

2日連続でプレーすることで少しでも上達へ・・・と思い、
泊りがけで臨んだワールドビゲストディスクゴルフウィークエンドin播州だったが
結局 まだまだ足が腫れることと、パットが入らない事の確認が出来たくらい。

でもディスクゴルフを楽しむことがライフスタイルになっている、
浜の宮に集いし人たちとゆっくりラウンドできて満足だ。

そして ここ播州のコテコテ流儀!

ディープで濃い・・・大阪は完全に負けているようだ・・・恐るべし播州!